REC4を見たんですよ
劇場公開もとっくに終わり、レンタル開始からも遅ればせながらになってしまいましたが、「 REC4」を見ました。
RECは1作目がとても好きで何度も繰り返し見ています。
狭いアパート、POV、登場人物のキャラの良さ、おばあちゃんゾンビのインパクト、終盤までずっと騒がしいのにラストで一気に別方向の緊張感に振れる所とか、好きな所がたくさんです。
みんなもそんなのが好きだったんだよね。2、3とそこを引きずらないテイストの映画になってどんどん不満が募っていく中、完結編と銘打たれみんな大好きアンヘラたんの再登板となれば期待もしてしまうんだけど…という所で、評判が悪いのはまあ仕方ないと思うんだけど。
けど、2・3作今作と毛色が違うのは、「全て別のものをつくりたかった」と監督が言っているので、それを同じテイストを求めたばっかりに酷評されるのは、ちょっと違うんじゃないかと考えたりしています。
「続編」というものは難しいけど、続編でありながら別の作品と割り切って評価することも大切ですよね。これは自分への言い聞かせでもあるけど。
…と、思いながら見たとしても「評判が悪いのもわかる。」という作品にはなってしまっていたけどw、バラゲロ監督が好きな人は楽しめた所がたくさんあったのでは!
私はとっても楽しかった!
バラゲロ監督の作品は、「ネイムレス」「ダークネス」が大好きで、「機械じかけの…」もスパニッシュホラープロジェクト内の作品も大変楽しく拝見しました。
小さな演出がツボにはまる事が多くて、これは褒め言葉ではないかもしれないけど、「面白いよと人に勧めるには悩むけど個人的には大好き」という位置付けです。
今作もまさにそんな感じで、個人的にはRECシリーズお疲れ様!という、監督の言う「お別れのパーティ」には精神的に参加できたのでは。と思えたのが嬉しくて、久しぶりにブログに感想をしたためている次第です。
この映画には、これまで見て好きだったポイントがいくつも散りばめられていました。
まず、特殊メイクの所。
私、「ネイムレス」に出てきた遺体がこれまで見たどんな特殊メイクより怖かったんです。怖いというか目を背けたくなるというか…
映画の特殊造形って、「リアルを元にしたフィクション」といった印象を持っているんだけど、バラゲロ監督の映画に出てくるのは、「リアルを知らない人が想像するリアルってこんな感じ」路線を行っている気がしています。
今作で「抗体を打たれた感染者の顔がふくれあがる」という場面がありますが、これはモロに「ネイムレス」の再現といった感じでとても怖く、不安にさせられる表現でした。
「怖い」「不安」と書いたけど、初見では「悪趣味」って思ったんだけどw
そもそも今回の感染者、水ぶくれが蓮コラみたいになっててヤバイでしょう。
それに、コックさんにやられた猿がぐったりするシーン、猿の顔がまるで人間のおじいさんのようで、それが「意図的」に感じられるのが妙に怖くてこれも悪趣味だと感じた。
そのコックさんがカメラの前で目をギラギラさせてるのも、ありがちなメイクと構図と表情なのに、なんであんなに怖いと感じるんでしょう。
次に、おたく心をくすぐる「お約束」。
- 冒頭にマヌーとアパートのおじさんが出る
- アンヘラたんがアクティブになった瞬間、例のタンクトップ姿になる
- ニックのアニメチックでドラマチックな熱さ
- やっぱりおばあちゃんは感染する
- やっぱり生の魚は憎い
役者さんに関しても、アンヘラたんはおばさんになってたけどアクション頑張っていたし、ラストの海の所は1作目のパブロとのシーンを思い起こさせる感じでしたね。
医者といい、書くとネタバレになるけど「あの人」、2作目のおかしくなったアンヘラたんもだけど、バラゲロ監督の映画に出てくる「おかしい人間」は目が真っ黒になっているだけではない怖さがまた私のつぼです。
「ダークネス」のお父さんもめちゃくちゃ怖かったし。
いろんな演出や表現が「ありがち」なのに、どこが違うとも説明できないけど、なんか違って、なんか怖い。そんな監督さんの持ち味は存分に発揮されていた作品だと思いました。
面白いこと、評判が良いことは大切だけど、こんな風に「それでも好きな映画」というのは、それはそれで大切ですよね。
なにはともあれ、アンヘラたんお疲れ様!ありがとう!
監督の次回作が楽しみです。ホラーだといいなー。
長編デビュー作。
フェレ・マルティネスが超かっこいい。
記念すべき1作目。アレックス役の人が超かっこいい。